東京マラソン2021を走る(前編)

いよいよ足掛け3年分の思いをぶつけるぞ

 待ちに待ったこの日がやってきた。2022年3月6日、都庁前スタートラインに立った。立てたのだ。コロナ第6波に見舞われる中、事前のPCR検査でスクリーニングをかけ、密にならないようウェーブスタートで走行間距離をあけ、給食も大幅に減らし、出したゴミは自分で持ち帰るなど感染対策を強化した上での開催となった。賛否両論あるとは思うが、参加者としては喜ばしいことである。という思いでいるランナーたちのテンションは上がりまくりだ、自分も含めてアドレナリンが脳みそから身体中に行き渡る。気温は下がり気味の予報であったけれど、走れるという喜びで寒さはほとんど感じなかった。ただ、ちょっと着すぎだったかもしれない(笑)

遡ること3年前、東京マラソン2020に当選

 前回の東京マラソン2019に続いて、幸運にも連続で東京マラソン2020も当たったのだ。財団のプレミアム会員登録しておいたせい?でもない。一発で当たった。一旦落選したも、再度プレミアム枠で抽選があるようであったけれでも、その恩恵ではなかった。ひょっとすると年齢枠のようなものがあるのかもしれない。

 出走日は2020年3月1日に設定されていた。ところがだ。2020年正月に中国で確認された新型コロナウイルスがこともあろうに日本に早々に持ち込まれた。騒ぎになったのはダイヤモンド・プリンセス号の乗客がCOVID-19に感染していたことが2月1日に確認された。その後、国内でもぼちぼちと感染者が出始め市中感染が広がっていったのだ。まだ今ほど感染者はいないものの、感染力や病原性、毒性などがはっきりしない状況で、肺炎を起こし急速に悪化し死にいたる病であることが報じられた。そのような状況で開催して万が一にも感染を広げることになれば、今後マラソンという競技そのものが開かれなくなる。とういことまで危惧したかは分からないが、京マラソン2020は一般ランナー抜きのエリートランナーのみでの開催という形で行われた。走れなかった一般ランナーは出走権は保持したまま次の大会にエントリーが可能となった。その大会とは、東京マラソン2021(2021年3月7日(日))、または東京マラソン2022(2022年3月6日(日))の2レースだ。(2020年5月15日発表)。出走権は移行されたが、2020大会で支払った参加費は戻ってこなかった。(Tシャツやメダルなどは後日送られてきた)

 歳も歳だけに先送りは避けたいと思い、東京マラソン2021に再エントリーした。(2020年7月)この時点では第1波と第2波の間にあったと思う。その後、夜の街で感染が広がり8月に第2波を迎えた。なんだか、マラソンのレビューではなく、コロナ禍のレビューになってきたな。まっ、いっか。ちなみに、この年の夏に開催されるはずだった東京オリンピック2020も来年に延期となった。第2波から第3波の狭間では感染も落ち着き、普段の旅行などにGoToトラベルが適用されることになった。このままいけば2021年3月のレースを迎えらえる、そんな期待が大きく膨らむ時期であった。ちなみにこのGo Toトラベルを使って恒例の学生時代の同期との伊豆テニス合宿をやった。一応社交辞令的なマスクはしていたが、飲み会も興がのると皆マスクを外し大声で話した。こうやって感染が広がるんだなぁとその時は感じた。ただ普段は品行方正な仲間だったので一人の感染者も出さずに合宿を終えることができた。

緊急事態宣言

 大きな波が押し寄せるたびに緊急事態宣言が発令され、特に大勢が集まる私的な活動までも規制されるようになった。ただ他国とは違い、法的な縛りの緩い、国民へのお願いベースなので守らない輩もいたようだ。前段で書いたはざまの後にやってきたのが第3波だ。2020年年末から始まったこの波に対処するため、政府は2021年の1月7日より2回目の緊急事態宣言を発令した。この宣言は3月21日まで続いたため、予定していた2021年3月のレースは再び延期となった。オプションはこの年の10月、または2022年の3月だ。12月に湘南国際マラソンがあるため10月は避けたいところだが、優先順位を考えて10月に再エントリーすることとした。

 3月に一旦収まったかに見えたが、人の移動が再び活発になる年度末から陽性者数が増え始め、第4波に入ると4月25日から4都府県に3回めの緊急事態宣言が発令された。いったいいつまで続くのだ!波は押し寄せるたびに大きくなっている。ワクチンは未だなのか!感染が広がるたびにウイルスがコピーミスをしながら変異する。だから極力抑え込まなくてはならない。変異株の特性は誰にもわからない。ひょっとすると弱毒化して消えてしまうかもしれないし、逆に猛毒化して重傷者を増やしてしまうかもしれない。誰かが言っていた。ただの風邪だろ。そんなあまいものではないはずだ。こんなんで10月のレースは走れるのか? 3回めの緊急事態宣言は陽性者数の減少に伴い6月20日に解除された。8月には1年遅れの東京オリンピックも控えているのでこのまま落ち着いていてほしい。そんな風にみんな考えていたと思う。

 っとところが、7月から再び増加に転じ8月には全国で2万人を超える陽性者数が出てしまった。第5波だ。この波の特徴は感染力の高い、いわゆる「デルタ株」の影響、そして若い世代の感染者が多いという点だった。これまで重症化しやすい高齢者にはワクチン接種がすすみ感染からは守られていたようだ。自分も7月28日に2回めの接種を終えていたので感染リスクは下がっていたはずだ。お決まりのパターンで7月12日に東京で4回目の緊急事態宣言が発令された。もうここまで来ると驚かない。またかと。なんせオリンピックを間近に控えているのでなんとしてでも抑え込まなくてはならない、国を上げて。だが残念ながら緊急事態宣言を解除できないままオリンピックが始まった。ほぼ無観客、一部地方開催では少数の観客を入れた事例もあったようだが。そしてマラソンは?北海道だ。都内は暑すぎて走れないので北海道にコースを移していた。でも最近の北海道はとても暑い。途中棄権者が多発。そんな中で大迫は見事な走りで6位入賞。よくやった!因みに優勝は世界記録保持者のキプチョゲがリオ、東京と連覇達成。タイムは2時間8分38秒だった。お見事。さて第5波は8月の中頃にピークアウト、その後急速に感染者数は減っていき9月30日に漸く緊急事態宣言が解除となった。だが時遅し、10月のレースは再び延期となった。いまから思えば、この10月のレースはできたはずだ。少なくとも感染者数だけみればとても安心して走れる時期だった。10月から師走にかけては感染も落ち着き仲間内でリアルの忘年会の話も出た。自分はここで感染して来年春のレースに支障がでるのが嫌だったので忘年会は欠場とした。このまま落ち着いていてさえくれれば3月はいけるぞ。今度こそと期待に胸を膨らませていた。

 っとところがだ、第6波がやってきたのだ。南アフリカ発のオミクロン株だ。日本に入る前に既に世界中で猛威を奮っていたので時間の問題かとは思っていたが水際対策は軽く破られたのだ。3月のレースに暗雲がたちこめてきた。オミクロン野郎はまたたく間に全国に広がり2月の初めには陽性者数が10万人を超えた。第1波では東京で200人も出た!と大騒ぎしていたのがおかしいほど桁違いの数だ。こりゃ中止か?だが今回は緊急事態宣言が出なかったのだ。だんだんとしきい値が上がっている。重傷者数や病床数のキャパシティなど勘案して未だ大丈夫だといった判断だ。東京は一日の陽性者数が2万4千を超えなければ社会機能は維持できるとも踏んでいるらしかった。そして2月の中頃にレース開催の決定が出され、2年越し2回目の東京マラソン出走が決まった。

投稿者: 管理人

いつかはサブスリーを目指す市民ランナーです。コロナに負けるな!

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